シマ屋ステイズの創業は、旅慣れた四人の外国人が、どうしたら日本で最高の朝を迎えられるだろうかと考えたことがきっかけでした。日本を訪れるたびに、その文化に魅了されていくものの、ありふれたホテルのベッドで目覚める朝だけをとても味気なく感じていた彼らは、理想の家を京都に建てることを決め、自分たちが不在の間は宿として貸し出して、その体験を世界中の人とシェアしたいと思うようになりました。

その頃の京都は、風情ある京町家がつぎつぎに駐車場やビルに取って代わられ、弁天レジデンスのもととなる築百年以上の二棟の町家も例外ではなく、2013年に相続のために手離された時点では解体が免れないような状況でした。歴史ある建物の悲運を偶然知った彼らは、その土地を家ごと購入することを即決し、伝統建築や町家再生に詳しい建築家の協力を得て、地元の職人の手で修改築が施されました。そして、生まれ変わった家を所在地である上弁天町にあやかり弁天レジデンスと名付け、シマ屋ステイズの最初の宿が誕生しました。外国人だからこそ、すべての局面において日本人の建築家と職人が深く関わることにこだわってつくりあげた、世界へ羽ばたく ”Made in Kyoto” の家と自負しております。

日本の美を世界に向けて発信したいというシマ屋ステイズの想いは、つぎの舞台へと引き継がれ、祇園のはずれに譲り受けた二つの区画に新しい町家を建てることになりました。路地をはさんで向かいあう二棟には、創業者たちが折にふれ接してきた街の人々のあたたかさをお客様にも感じていただけように、旅人と住人が交流できる場をもうけました。新しい旅のスタイルを提案する宿になればと願っております。

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